前回のブログで正しい「腹筋運動」できていますか?
ということで終わっておりました。
仰向けになった姿勢で、足首をおさえてもらって
上半身を繰り返し起こす腹筋運動。
一般的に腹筋運動というとこれを思い出す人は多いでしょう。
今でも健康のためにと毎日続けている人がいるかもしれません。
実はこの腹筋運動、
お腹の筋肉である腹直筋を鍛えるためには
あまり効率的な運動とはいえません。
それどころか、
筋力が足りないと腰が痛くなる可能性がある動きです。
腹筋を効果的に鍛えるためには
上半身を起こす動作というのは必ずしも必要ではありません。
〝腰痛予防〟が目的であれば
上半身を起こさない腹筋運動がお勧めです。
腰痛にならない腹筋トレーニング
①まず床に仰向けになり、膝を曲げて足の裏を地面につける。
膝を曲げることで腰が反りにくくなります。
②骨盤を後傾させる(おしりの穴を天井に向けるイメージ)
骨盤を後傾させることで腰椎がしっかりと床につき、
それによって腰が反りかえる動きが予防できます。
③頭を起こし、あごを引く(へそを見るようにする)
④上半身全体を起こさない(一本の弧を描くように、上体を丸める姿勢)
上半身を起こすのではなく、腰を支点にして、胸から上だけ、
肩甲骨を床から浮かすようにするのがコツです。
また、
あごが上がると背筋が伸びやすくなるので、
頭を起こしてあごをしっかりと引いた状態を作り、
首から腰にかけての背骨全体が一本の弧を描くようにします。
その後、
上体を床におろしてこれを繰り返します。
1セット10回を目安に行ないましょう。
重要な役割を果たす腸腰筋
上半身を起こす腹筋運動の動作では、
足の付け根にある腸腰筋が積極的に使われます。
腸腰筋は股関節前面の深層部に位置する筋肉(インナーマッスル)で、
大腰筋と腸骨筋によって成り立っています。
これらの筋肉は股関節を曲げる際に使う筋肉として、
走行時に脚を前方に踏み出したり、
腹筋運動のように脚を固定した状態から
上半身を起こしたりする動作で使われます。
また、
腸腰筋は腰を安定させるうえでも
たいへん重要な役割を果たしています。
腹筋が弱かったり、
上手に使えない人は、
腸腰筋に力が入るため腰が痛くなります。
腸腰筋はウォーキングやランニングなどの
日々の活動やウエイトリフティングなどのパワー系の競技とも
深い関係があり、
腸腰筋の弱体化や硬直は健康にも悪影響をもたらします。
腸腰筋が弱くなると、
その影響が姿勢に現れてくる可能性があります。
あごが前に突き出して背中上部が丸まった猫背の状態(スウェイバック姿勢)、
本来自然にある背骨のS字カーブが減弱して、
背骨がフラットになった状態(フラットバック姿勢)が
見られる場合は要注意です。
このような姿勢が続くと腰痛の原因にもなります。
また、
骨盤内にある腸腰筋を鍛えていない人が、
無理に腹筋運動をした場合も腰痛を起こすことになります。
他に、
腸腰筋が硬いと骨盤に影響を与えたり、
腰の可動域が制限されて腰に不快感や
痛みを引き起こしたりする可能性があります。
腰の負担を減らすためには、
腸腰筋を鍛えるトレーニングが効果的です。
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